建設業許可の「営業所」とは?知らないと損する要件と注意点

「営業所ってどこでもいいの?」「自宅でも大丈夫?」
そんな疑問をわかりやすく解説します。
目次
そもそも建設業許可の「営業所」って何?
「営業所」と聞くと、立派なオフィスビルを想像される方も多いかもしれませんね。でも、建設業許可で言う「営業所」は、一般的にイメージするものとちょっと違います。
建設業法でいう営業所とは、「建設工事の請負契約を常時締結する事務所」のことです。つまり、単なる作業場や資材置き場ではなく、お客様と契約を交わす拠点のことを指します。
💡ここがポイント
会社の登記上の本店所在地=営業所とは限りません。実際に建設工事の契約業務を行っている場所が「営業所」になります。登記だけして実態のない事務所は営業所としては認められませんのでご注意ください。
「主たる営業所」と「従たる営業所」の違い
| 主たる営業所 | 従たる営業所 | |
| 役割 | 建設業の経営を統括する本拠地 | 主たる営業所以外で契約締結を行う拠点 |
| 数 | 1つ | 0でも複数でもOK |
| 必要な人 | 経営業務の管理責任者+専任技術者 | 令3条の使用人+専任技術者 |
| 届出 | 許可申請時に必須 | 該当がある場合のみ届出 |
営業所として認められる4つの要件
「うちの事務所、大丈夫かな…?」と不安な方のために、営業所として認められるために必要な要件をまとめました。
| ✅ | 外部から独立した事務所であること | 他社と同じ部屋を共用していたり、仕切りのないオープンスペースだけでは認められないケースがあります。 |
| ✅ | 電話・机・各種事務台帳などを備えていること | 固定電話やデスク、帳簿類など、事務を行える環境が整っている必要があります。 |
| ✅ | 契約締結等の業務を実際に行っていること | 名ばかりの住所登録だけでは不十分です。実態が伴っていることが重要です。 |
| ✅ | 看板・標識等で建設業の営業所であることが確認できること | 外部から見て事業所だとわかるよう、表札や看板を掲げる必要があります。 |
⚠️注意
申請時には、営業所の写真(外観・内観)の提出を求められます。バーチャルオフィスやコワーキングスペースは原則として認められませんので、ご注意ください。
自宅を営業所にできる?よくあるケース
個人事業主の方や小規模な法人の方から、「自宅を営業所にしたいんですが…」というご相談をよくいただきます。
結論から言うと、自宅でも営業所として認められる場合があります。ただし、いくつかの条件をクリアする必要があります。
自宅を営業所として認められるポイント
居住スペースと事務所スペースが明確に区分されていることが大前提です。リビングの片隅にパソコンを置いているだけ、という状態では認められない可能性が高いです。
具体的には、居住部分を通らずに事務所部分に出入りできる構造であること、専用の事務スペースがあること、入口に表札や看板があることなどが求められます。
📌実務のヒント
賃貸物件にお住まいの場合は、賃貸借契約書の使用目的が「居住用」のみとなっていると、営業所として認められないことがあります。事前に大家さんや管理会社に確認しておきましょう。
知事許可と大臣許可の分かれ目は「営業所」
実は、建設業許可が「知事許可」になるか「大臣許可」になるかは、営業所の場所で決まります。工事を行う場所ではありません。
| 許可の種類 | 条件 |
| 知事許可 | 1つの都道府県内にのみ営業所がある場合 |
| 大臣許可 | 2つ以上の都道府県に営業所がある場合 |
たとえば、東京都に本社があって大阪にも支店がある場合は「大臣許可」が必要です。一方、東京の営業所だけで全国の工事を受注する場合は「知事許可」で問題ありません。
💡よくある誤解
「他県の工事を受注するなら大臣許可が必要」と思っている方が多いですが、これは間違いです。あくまで営業所の所在地で許可の種類が決まります。
