建設業許可を取得するメリット・デメリット
建設業法とは
建設業法とは、建設業を営む者が守る必要があるルールです。
許可、工事の請負契約、施工技術の確保等が定められています。
法律に違反した場合には、罰則と監督処分があり、法律を理解して法令順守が必要となります。
建設業法の目的
建設業法(目的)
第一条、この法律は建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者の保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
上記規定から、建設業法の目的は4つあることが分かります。
①建設工事の適正な施工を確保すること。
②発注者を保護すること。
③建設業の健全な発達を促進すること。
④公共の福祉の増進に寄与すること。
建設業法の各規定は、この4つの目的を達成するための手段が定められているのです。
「建設業法を営む者の資質の向上」 「建設工事の請負契約の適正化」が示されています。
さらに建設業の許可制、技術検定制度、契約書の記載事項を定めていることも目的達成の手段であります。
建設業許可が必要な場合
建設業を営もうとするも者は、「軽微な建設工事」のみを請け負う場合を除いて、建設業の許可が必要となります。
「軽微な建設工事」とは下表に該当する工事をいいます。
建設工事の種類 | 軽微な建設工事 |
建築一式工事 | 次のいずれかに該当する工事 ①工事1件の請負代金の額が1,500万円(税込)未満の工事 ②請負代金の額に関わらず、延べ面積が150㎡未満の木造住宅を建設する |
建築一式工事以外の工事 | 工事1件の請負代金の額が500万円(税込)未満の工事 |
建設業許可を取得するメリット・デメリット
メリット
メリット① 軽微な建設工事を超える建設工事を請け負うことが出来る
建設業許可がなければ、軽微な建設工事を超える金額の建設工事を請け負うことが出来ません。
建設業許可の取得により、軽微な建設工事を超える建設工事を請け負うことができることが最大のメリットとなります。
メリット② 社会的信用が高まる
建設業許可取得には一定の要件を満たした場合に、国土交通大臣や都道府県知事から許可が与えられることになります。
そのため、建設業許可を取得しているということは、一定の要件をクリアしていることが対外的にわかるため社会的信用が得られることになります。
メリット③ 公共工事の入札参加ができるようになる
公共工事の入札参加には、「経営事項審査申請」や「入札参加資格申請」が必要となります。
それらの申請には、前提として建設業許可の取得を必要としています。
建設業許可の取得だけでは公共工事の入札参加ができるわけではありませんが、まずは第一歩となります。
デメリット
デメリット① 建設業法の各種規定が適用される
建設業法において「建設業者」とは、建設業許可を受けて建設業を営む者をいいます。
建設業許可を取得することによって、建設業法の規定されている法律が適用されることになり、規制の対象となるのです。
そのことが建設業許可を取得することのデメリットになります。
デメリット② 建設業許可申請書類等が閲覧に供される
建設業許可を取得することで、申請書類や届出書類が公共の閲覧に供されることになります。
つまり、誰でもその建設業者の申請書類や届出書類を閲覧することが出来るのです。
そのため、建設業許可を取得すると、同業他社に実績や売上を知られることになるデメリットがあるのです。